イヌは本当に不思議な動物です。種も違い,言葉も通じませんが,なぜか心が通じる気がします。それは「気がする」のか「本当に通じている」のか。2015年現在,多くの認知心理学者がこの謎を解こうと多くのテストを実施し,ヒトとイヌの関係性を明らかにしつつあります。
詳しい結果はまだこれからの研究を俟たねばなりませんが,予想以上にというか,予想どおりというか,イヌは情緒深く,ヒトとつながり,心をつないでいることがわかってきました。そして,イヌと共通の祖先種をもつオオカミではそのようなヒトとのつながりをもつ能力が確認できず,イヌは進化と家畜化の過程で,この能力を得たと考えられてきています。
イヌの進化の過程,ヒトとの共生の歴史を知ることは,つまりヒトがなぜイヌとは特別な関係が結べたのかを理解する,ヒトの理解にもつながります。今回,これまで行われてきたイヌの優れた認知能力,ヒトをどのように見ているか,を紹介し,さらにそれに至った進化の過程も想像してみたいと考えています。
参加費は無料です。定員は90名ですので,参加ご希望の方は,日本ペットサミット事務局代行までメールでご連絡ください。先着順で受け付けをいたします。フェイスブックからの申し込みはできません。
テーマ | 「ヒトとの共生を可能とするイヌの特殊な進化」 | |
講 師 | 菊水健史先生(麻布大学 獣医学部 動物応用科学科 伴侶動物学研究室 教授) | |
菊水健史先生 プロフィール |
1970年生まれ。1994年,東京大学農学部獣医学科卒業。 現在,麻布大学獣医学部動物応用科学科 伴侶動物学研究室 教授。獣医学博士。主な共著『日本の犬: 人とともに生きる』(東京大学出版会),『犬のココロをよむ―伴侶動物学からわかること』(岩波書店)など多数。 |