日本ペットサミット(略称:J-PETS 西村亮平会長〈東京大学大学院教授 農学生命科学研究科獣医外科学教室〉)は,下記の企画趣旨にもとづき,第2回例会を5月21日(土),東京大学で開催いたします。
【企画趣旨】
“欧米諸国では社会にペットが溶け込んでいるのに対して,この点において日本はかなりの後進国である”という考え方は,割りとステレオタイプに受け入れられているように思います。しかし,忠犬ハチ公はいまだに絶大な人気を保っていますし,日本における犬や猫の飼育率も他国に比べて決して低くはなく,むしろ高いくらいです。
折しも今年は若冲*生誕300年ということで様々な催しが行われています。若冲は昨今ブームとなっている日本美術の中でも最大の人気絵師であり,花鳥画など動物を題材にした絵画もよく知られています。
今回は若冲展**をきっかけとして,まず,私たち日本人がどのような動物観を持ってきたのかを考えてみたいと思います。温故知新。これからの私たちが動物たちとどういう付き合いをしていくのがより自然か,その解を探ってみます。
*伊藤若冲(いとう じゃくちゅう1716〜1800)。近世日本の画家の一人。江戸時代中期に京にて活躍した絵師。写実と想像を巧みに融合させた「奇想の画家」として称せられる。
**生誕300年記念 若冲展(2016年4月22日〜5月24日 東京都美術館)
内容 | 「我々日本人は動物をどうみてきたのか」〜若冲展をきっかけに考える〜 PartⅠ 若冲とは? 〜その人物像,時代的背景,絵画の特徴やその意味するところ PartⅡ 我々日本人は動物をどうみてきたのか〜若冲展をきっかけとして …奥野卓司先生と西村亮平会長との対談+フロアからの質疑応答 |
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奥野卓司先生 プロフィール |
奥野卓司先生 / 関西学院大学先端社会研究所所長、大学院社会学研究科教授/ 公益財団法人山階鳥類研究所副所長・理事。京都市美術館・動物園学術顧問。 ヒトと動物の関係学会副会長,生き物文化誌学会理事,NPO法人動物愛護社会化推進協会常務理事など。学術博士/専門社会調査士 1950年,京都市生まれ。京都工芸繊維大学大学院応用生物学専攻修了,米国イリノイ大学人類学部客員準教授,甲南大学文学部教授などを経て,1997 年から現職。 著書に『江戸〈メディア表象〉論』(岩波書店),『人間・動物・機械―テクノアニミズム』(角川書店)。動物関係の訳書としては,『イヌのこころがわかる本』『ネコのこころがわかる本』(M.W.フォックス著,共訳,朝日新聞文庫),『ジェスチュア』(D.モリス著,共訳,ちくま学芸文庫)など。 |
※ 現在開催中の「若冲展」が予想以上に人気が高く、連日150〜200分待ちという状態が続き、簡単には観覧できない状況になっております。 そこで、講師の奥野卓司先生が、若冲展に行けなかった人のことも考えて、10分程度のビデオを流してくださることになりました。 若冲展に行けなかった人もどうぞご参加ください。お待ちしております。 ※参加ご希望の方は,日本ペットサミット事務局代行までメールでご連絡ください。先着順で受け付けをいたします(フェイスブックからの参加はできません)。 |